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「見殺しにはできないから俺たちもここで死ななきゃならねぇ」

(前略)

母の母(祖母)
母の兄夫婦



ぐらぐらって地震がきた
津波警報が鳴っている。
警報なんていつものことです。

鷹をくくっていました。
津波なんてくるはずがないのです。

祖母一家は
海岸とは雰囲気違う
賑わっている し交通も激しいところです。

この3人は大槌の駅前通りの主要道路沿いに住んでいます。
銀行や商店が並んでいます。


1階は店です。

祖母の離れはその奥の岩を登った上にあって
いくら言っても母屋で暮らさなかったのです。



96歳なのに

あの岩を登らせているのか?とよそから非難されても

おばあちゃんは優しいいのですが
頑固だから一緒に母屋で住もうと言ってもいうことを聞かないんだそうです。
歩けるからすごいのです。

まだまだ私は大丈夫だから!と言ってます。

確かに足取りは70代といってもいいほどなんです。
たぶんその岩で鍛えられたんだと思います。



海からほど遠い本町は
津波なんか来たことがないのです。
せいぜい2、300メートル海寄りの家には水が床にさら~っと来た伝説は祖母が昔聞いたことがあるらしいということです。

実際祖母もそこの場所で津波の水を見たことがないのです。

だから慌てなかったみたいです。
そうですよね、地震で倒れるかもとは思っても津波はね。


それでもオバサンは地震があって祖母がいる離れを見に行こうとしました。




第一波

オバサンが玄関開けっ放しで岩を上がったところ
もうすでに水が上がってきて
途中のに1軒家があるのですが木か家かにしがみついて
水が去るのを待ったと言います。
すごく怖かったそうです。




オジサン、2階の居間にいました。
水だぁ~と言われ逃げようとしたらオバサンが開けていった玄関から
ぐわっー!と水が入ってきました。

玄関開いてなかったら窓ガラス割って入ったと思うと言っていました。

仏壇も何もかにもが水でぐちゃぐちゃになって

畳の上に絨毯ひいているのに何故かオジサンは畳1枚の上にちょうど乗っていて寝ている状態で浮かび

どんどん天井まで上がったそうです。

どこにも逃げ道がないんです。


後30センチ・・・

っていうところで止まったんだそうで
チャプチャプ浮かんでいったのでその時点であまり濡れていなかったんだそうですが


ホントに死ぬかと思ったと言います。


オバサン、ちょっと水がひけたから水を漕いで祖母家に行きました。




第二波


オジサンも祖母の家に上がる
そこなら大丈夫だろう、まさかこんな岩の上までくるはずがないとまた思ったそうです。

しかし第二波の方が高かった!


避難所はその山を越えた中央公民館

高台にあるらしいのです。
しかし本来ならぐるっと回ってしか道がありません。

さてそこに行こうとしましたが
駐車場は水がありもう下には戻れないし、車は水浸しになっています。

自分の庭のようなものだろうから行き方は知っていたそうで
オジサンたちは笹藪通って山を上がろうと決意します。

そうしたら祖母言いました。私ここにいるからいいからみんなで行って!

そのへんが曖昧なのですが
そこで第二波がきたのかな。

山の上のそこの祖母家の押し入れの下まで水がきたらしいです。
すごいんですよ!


そこに5、6人集
たぶん町内の誰か消防団でしょうか
でも知らない人たちだったといいます。

さあ、ばあちゃんつかまって逃げよう
と言われて

やっぱり祖母

わたしゃーこの歳まで生きたからもう死んでもいいからあんたたち早く行きなさい

その5人集が
そしたら見殺しにはできないから俺たちもここで死ななきゃならねぇ

はー、そしたら困ったね
おりゃ(私)行かなきゃならないのかねぇ

んだんだ、

おめはんたちまだ若いのに死なせたら悪いっから
そんだら行くっか


もう!
おばあちゃんの頑固!
でもその見知らぬ5人だか6人集は(祖母の命名)

青いカーテンを(どこのかわからない、多分祖母家のではない)
途中まで割いて2枚重ねにして
おばあちゃんをくるみ
その笹藪をおぶってかな、かついで登ったらしいんです。

オジサンオバサンも一緒に

中央公民館で降ろした時に
「こればあちゃんのだろ?」と出したのは

一昨年かな、盛岡に来た時に私の腕にあったのをあげた

腕輪の念数だったんです!!!
もうびっくり!!!
きっとこれが守ってくれたんだと!私も祖母も後で言ってました。


いつもは歩かない笹やぶだから
身体中傷だらけだったそうです。

そして、公民館では祖母が首までびしょ濡れになったので
全部脱がせて
何か違うのを着せてもらい

高齢者だからこの避難所じゃないどこか施設の方がいいとオジサンが頼み

老人施設に連れて行ってあげると
車でおばあちゃんだけ移したそうです。

その時オジサンかな、祖母家に戻り
押し入れ上にあった濡れてない掛け布団を持ってきて
祖母にやったそうです。

その布団があってよかった、助けに来るまでくるまっていたんだそうです。

老人施設には祖母が一番のりで
次に親子連れが来て
その日はそれだけで泊まりご飯なしです。

次の日からどんどん来たそうで
トイレのそばだったからうるさくて寝られなったのと
くつしたも履いてないから寒くて寒くて布団にくるまって3日間を過ごしたそうです。

自分は不思議に全然トイレに行きたくなくて
ただうるさかったと言ってました。

紙オムツを履いたこともないけどそれしかないから履いて寝たらそこは温かかったと笑ってました。

次の日から1日2回は何か食べ物が出たみたいです。


オジサンとオバサンは
中央公民館で1夜過ごし
その日は食べ物なしです。

次の日の話しかな、誰かの車に乗せられて
違う避難所に行ったみたい

そこ大ヵ口多目的集会所は祖母の妹の息子、つまりオジサンの従兄弟(弟の方)が近くにいて
ご飯食べさせてもらったりして

それでも避難所で出された2回の食べ物は貰って食べたらしいのですが

それでお腹いっぱいじゃなかったと言っていました。


ただゴロゴロ人が寝ていて
すぐ隣には誰か他の人がいて窮屈だった、と言っていました。

最初、濡れた洋服を全部脱いで毛布にくるまって
乾くのを待ってまた着たんだそうですが
海水ですよね、べたべたしていたでしょうね。


そのご飯食べさせてもらったオジサンの従兄弟の実家は祖母家の近くの商店やっています。
兄と94歳のおばあさん(祖母の妹)がいます。

うちの祖母と違って足が不自由なので動きが悪いんです。


そのおばあさんと長男息子は一緒にいて

ここから動かないでいる、と言ったから第二波で呑まれたんだ、とオジサンたちが言っていました。

私の聞き方が悪かったのかそのへんがよくわからないのですが
3人で言うのでそうなんだと思います。



弟の従兄弟夫婦は避難所でよく働いていたそうです。
家が残ってるってパワーが凄いんですよね。
元気な人たちがいてよかったです。



焼けなければ
何かは残ったと言います。

誰もがそう思いますね。


夜にはすっかり火が上がっている映像を私はパソコンで見ました。

ちょっとの間で火が出たので

だから壊滅というんですよね。


そのオジサンの息子が迎えに行って
家族で自分の家の焼け跡を見てきたかったらしいですが
瓦礫の山で道がふさがれて
遠くからしか
あの辺かな?しか
見れなかったって言っていました。


とても残念だと言っています。

火事さえなかったら

と思うけれど
津波に流された映像を何度も見ると本当に命あってよかったのです。

本当に助かってよかったです!





私が聞いた話しです。

こういう体験もあるんだな、と知ってほしくて書きました。

まだ見つからない親戚、友人がいます。
阪神淡路大震災と違って津波で流されてるからどこに誰がいたとか
わからないと今日も話してました。

とんでもないところまで流されてるようですよね。

私は内陸育ちなので
海は大好きでした。

災害にあった人にかける言葉が見つかりません。
これから生きていくのに何か手助けできればいいなと思っています。

ご冥福をお祈りします。

そして早く身元がわかりますように!
祈っています。


       合掌。


http://55768726.at.webry.info/201103/article_9.html


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ジャンル: その他

tag: 津波 生還 高齢者 ブログ 避難所

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